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室蘭で東さん講演会
 室蘭工業大学(北海道)では、同大ものづくり基盤センター開設1周年記念行事「南極プロジェクト〜氷床掘削の技術〜」として、長岡技術科学大学教授の東 信彦氏による講演会が行われました。東さんは30次あすか観測拠点越冬、36次ドームふじ基地越冬をされ、氷床深層掘削技術の開発に携われました。また、45次隊員ならもうお分かりのことでしょう、あの"雪氷のゴクミさん"のご主人です。
 講演は同大の講義室で行われ、同大学生・教職員を中心に場内は満席。最後には教員・学生からのたくさんの質問も寄せられる盛況ぶりでした。
 内容はその演題「極寒で氷を掘る−氷床掘削機の開発−」にある通り、南極氷床掘削のお話で、その歴史からはじまり、ドームふじ基地における深層掘削の最新技術の紹介、世界における日本隊の技術力の高さなどが紹介されました。
 同大には29次建築・38次機械・45次衛星受信の観測隊員も在籍しています。「実際に深層掘削の技術開発に携われた方のお話は、とても臨場感があり、なおかつとても分かりやすかった。深層掘削の話は45次ドーム隊員などからもよく聞いていたが、今回はさらに詳しい話を聞くことができたため、これまで聞いてきた話を改めてより理解することにつながった。」と45次・佐藤之紀隊員。
 我が国の氷床掘削技術は世界トップクラスであり、諸外国も日本の技術力を欲しがっているようです。その技術力は特に岩盤付近の融解点での掘削性能に顕著に現れているとのことです。

演題:極寒で氷を掘る−氷床掘削機の開発−
講師:東 信彦氏(30次・36次/長岡技術科学大学 教授)
会場:室蘭工業大学 C311講義室
主催:室蘭工業大学 ものづくり基盤センター
共催:北海道新聞 室蘭支社


(2007.10.13 婦長)