去る10月24日、南極地域観測統合推進本部(=南極本部。文部科学省)は、退役した南極観測船「しらせ」(海上自衛隊砕氷艦AGB5002)を解体処分にすることを決めました。スクリューやネームプレートなどの一部を保存するのみで、本体そのものはスクラップとなってしまいます(写真:2004年正月・昭和基地沖に碇泊中の「しらせ」)。
これまで、文科省と防衛省は、退役後の引き受け先を募集しており、民間企業などから応募があったそうで、最後には広島県の企業が提案する「海上博物館」構想が候補に残っていたそうですが、展示用への改修費約10億円や、年間維持費1億円が障壁となり、最終的に断念したもようです。
「しらせ」は25年間にわたり名実共に我が国の南極観測を支え、世界屈指の砕氷性能を誇る船でした。氷海に閉じ込められた外国の砕氷船を救出したり、海難遭難者の救助なども行いました。そして、1982年就航(第25次)以来のべ6000名近い観測隊員・海上自衛官の思いを乗せて、スクラップにされます・・・。
残念です・・・。