南極OB会北海道支部 第50次観測隊壮行会 報告
今年出発する第50次南極地域観測隊(2008〜2010年)のうち、本道出身隊員の前途を祝して下記の通り壮行会を開催しましたのでご報告します。なお、坂本隊員は所用のため欠席となりました。
壮行会前半は、例年のように支部長の御挨拶から始まり、各隊員による自己紹介と南極における研究内容や任務の紹介がなされました。 昨年に続いて、セルロンダーネの地質隊にフィールド・アシスタントとして参加する阿部隊員からは、昨年の装備の改良・補強や食料の更なる多様化と軽量化への取り組みをご紹介いただきました。 続いて山岳ガイドの樋口隊員が阿部隊員と同じ職種で越冬隊に参加し、阿部隊員と共に専門家の目で観測隊装備の一連の見直しを行われていること、昭和基地における危機管理をご担当されることなどをご報告されました。 北海道総合通信局に所属する通信の畑中隊員は、支部幹事の岸田氏と同じ職場とのことで、同局からは毎年のように通信隊員が派遣されていることを知りました。 調理の篠原隊員は33次越冬隊から帰国後、豪華客船・飛鳥に調理の職を得て地球を12周。先頃また「"南極へ行きたい虫"が騒ぎ出したので職を辞し応募」されたそうです。今夏、阿倍隊員の食料多種・軽量化作戦に参戦し、大いに貢献した話は大変興味深かったです。 建築の橋本隊員は昭和基地での夏作業についてパワーポイントで説明されました。砕氷艦「しらせ」退役のため夏作業用の資材輸送は無いが、既にJARE49便で資材は運ばれているということです。 作業期間は約2週間なので、例年の"地獄の夏作業"は無い模様です。 最後に村上隊員による地磁気・重力etcの観測が地球の健康診断と称して紹介され、「勉強になった」と受講者から反応がありました。 壮行会後半は場所を札幌駅北口の酒場に移し、観測隊員を囲んで歓談。 今年はオーストラリアの砕氷船「オーロラ・オーストラリス」による人員・物資輸送となります。 昨年に引き続いて飛行機で出かけて、夏期間のみ調査活動を行い、飛行機で帰国する「セルロンダーネ隊」の出発は11月16日ですが、昭和基地へ向かう隊員の出発は暮れも押し詰まった12月25日とのことで、夏作業も軽微で、JARE50のオペレーションが例年と大きく異なるのが印象的でした。 文:幹事長・山田知充(編集:広報幹事・佐藤之紀)
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