南極に関するニュースを載せています。
注:このページの本文・画像はJARE45ホームページからの転載です。
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南極観測開始以来50年目にあたる第48次日本南極地域観測隊が11月28日成田より空路南極へ向けて出発しました。48次隊ではすでにドーム航空隊が今月5日に出発、今回出発した本隊は宮岡 宏隊長以下隊員55名、同行者4名の計60名。うち48次隊は女性隊員が7名(越冬隊2名、夏隊5名)と過去最多です。
48次隊では世界初の手法でオゾンホールを解明したり、来年1月には毛利 衛さんらが昭和を訪れるなどの話題があります。 今日出発した48次隊はOB諸氏なら周知の通りですが、明日オーストラリア・フリーマントルで今月14日に先行した「しらせ」と合流。12月3日には一路南極へ向っての出港となります。
(写真提供:45次・西山高雄氏)
(2006.11.28) a ![]() 海上保安官で「南極料理人」として有名な第30次隊・第38次隊の「西村 淳」さんの著作「面白南極料理人」(春風社)を原作とする映画制作が進行しています。西村さんに伺ったところによりますと、「しらせ」出港シーンや南極を再現したロケなども組み込まれるらしく、大掛かりな本格的映画となりそうです。詳細はそれ以上はまだ分かっておりませんが、情報が入り次第このニュースでもご紹介していきます。
(2006.11.28)
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去る11月26日、北海道大学 学術交流会館にて南極OB会北海道支部主催、日本雪氷学会北海道支部共催による南極50周年記念事業「南極 みて・きいて・ふれる −極地の研究と生活−」が開催されました。当日は13時開場とアナウンスしていましたが、時間前から多数ご来場いただくなどの盛況ぶりで、おかげさまで入場者数が1200人という一同予想外のご来場をいただきまして、足を運んで下さった皆様には深く御礼申し上げます。 雪氷学会が実施した「雪氷楽会(らっかい)」では小さい子供たちから大人まで楽しんでいただけたようで、常にコーナーは人が大勢いました。一方講演会も大盛況で、開場は満席。折りたたみ椅子を追加するなどの盛況ぶりでした。 展示コーナーでは、「タロ」の剥製や深さ2207m・約21万年前の氷床コア、鉄隕石や石質隕石の展示、南極の自然を紹介したパネル展、記念ビデオ放映、昭和基地のライブ映像配信などがされました。また、別コーナーでは記念アマチュア無線局も開局し、たくさんの交信を行ったもようです。 このイベントは北海道支部にとって一大プロジェクトとなりましたが、たくさんのご来場をいただき、また多数のご来場者の皆様から南極観測への激励などもいただき、大成功のうちに終了することができました。 また、準備に奔走した関係者皆様、大変お疲れ様でした。 (2006.11.28)
a ![]() 情報によりますと、今年9月頃南極上空に過去最大のオゾンホールが出現したとのことです。南極大陸の面積よりも大きなものらしく、47次越冬隊によって観測されたもようです。
オゾンホールといえば1981年に第23次隊が発見・観測したものが世界で初めての記録として有名ですが、第48次隊では気球放球による実観測のほか、リモートセンシング観測として「フーリエ変換赤外分光器」により、大気微量成分と極成層圏雲の特性を観測するとのことで、世界初の観測手法となるそうです。 オゾンホールは、−80℃まで上空の空気が冷えた際に発生する「PSC(極成層圏雲)」にたまったフロンが、やがて暖かくなり分解され塩素が発生し、これがオゾンを破壊します。 関連リンク (2006.11.28)
a ![]() 11月23日から26日まで、南極OB会秋田支部と秋田大による南極観測50周年記念イベント「"南極の不思議2006"−南極へ!伝えよう白瀬中尉の熱い思い−」が開催されました。秋田県といえば、日本人で初めて南極大陸へ到達した「白瀬 矗(のぶ)」中尉の出身地(同県金浦町(現 にかほ市))。
イベントでは来場者が氷山氷を入れたミネラルウォーターで乾杯する企画や、装備品や写真の展示、白瀬中尉の紹介などの企画があったもようです。 (2006.11.28)
a ![]() 今年1月、南極・ドームふじ基地で採取された深さ3028.52mの氷床深層氷が、100万年前の氷である可能性が高く騒然となりましたが、その後の精密な分析により72万年前のものであることがわかりました。氷の層が大きく傾いていたことや、一部の氷が溶けたことにより予想より年代がずれたとみているそうです。こればかりは仕方がありません。
ドーム基地では今年48次隊による掘削で岩盤に到達することが見込まれていますが、専門家の田中洋一さんによるとこの辺りは圧力融解点に近く、地熱の関係などからも氷の状態が非常に悪いようです。つまり溶けてしまっている可能性があります。無事に岩盤まで到達することを祈るとともに、その辺りの氷がどういう状態であるか素人ながらに興味のあるところです。 南極氷床を3000mオーバーでぶち抜くその技術は世界に誇れるものであり、岩盤にまで到達した場合それは世界初になるようです。頑張れドーム隊! (2006.11.28)
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去る11月8日、南極観測50周年を記念する各種イベントが開催されました。船の科学館での「"宗谷"出港式典」にはじまり、同科学館での講演、そして晴海埠頭での48次航海出港間近の「しらせ」見学、赤坂プリンスホテルでの「祝賀会」と「48次隊壮行会」と、朝から晩まで11時間にわたる超ビッグイベントとなりました。イベントの詳細については当サイトよりも「南極OB会ホームページ」に写真入り詳細記事がありますので、ぜひそちらをご覧ください(下記リンク参照)。
さて、祝賀会&壮行会では第4次隊で遭難し亡くなられた福島 紳さんをはじめ、第5次・新谷文男さん、そしてこの記念行事を実行する中心人物で、直前の去る11月5日に亡くなられた村山雅美さんのご冥福を祈り黙祷をささげ、次いで来賓祝辞をいただいた後に第一次隊からの歴代観測隊員の行進にはじまり、各隊次別に隊員が壇上に上がって各隊紹介がありました。 (06.11.13)
リンク
a ![]() 第48次ドーム航空隊が5日19時に成田空港よりシンガポール航空SQ011便にて出発しました。48次ドーム航空隊は本山さんと洋一さんが参加されてます。
例によって筆者はお見送りが出来ませんでしたが、ご健闘をお祈りするばかりです。ドームふじの深層掘削はいよいよ岩盤到達かと言う段階。成功をお祈りします。 (2006.11.6)
a ![]() 第3次越冬隊長などを務め日本人で初めて南極点に到達した、南極観測の第一人者である村山雅美さんが5日午後4時53分、前立腺がんのため東京都新宿区の病院で亡くなられました。88歳でした。
村山さんは第一次隊から通算7回南極へ赴き、、あの「タロ」と「ジロ」を見つけた3次隊では越冬隊長を務められ、11人の隊員とともに日本人としては初めて南極点に到達されました。 最近ではOB会での中心人物であり、我々45次が出発した2003年には「南極観測の将来を考える会」を結成し、「しらせ」後継船を要求してくれました。そして11月8日に南極OB会本部主催の50周年記念行事を控えてのご逝去でした。ここに謹んで哀悼の意を表します。 村山さんの観測隊参加記録: (2006.11.6)
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平成18年の7月15日から9月3日まで、東京都台東区上野公園の国立科学博物館・上野本館で「南極展」が行われています。正式名称は「日本南極観測50周年記念 ふしぎ大陸 南極展 2006」。
●国立科学博物館「ふしぎ大陸 南極展2006」ホームページ南極大陸を実際に走っていたSM100S型大型雪上車の展示もあり、南極とのライブ中継もあり、観測隊OBによる講演もあり、火星の隕石展示もあり、1次隊使用の建物展示もあり、Tシャツ販売もありの一大展示会となっているようです。 このうち昭和基地とのライブ中継は、週4日ほど、1日2〜3回実施しているようです。お盆時期は連日です。47次越冬隊員が日替わり交代で出演しているらしく、毎回違った内容になるようです。 また、講演会では観測隊OBの生の声を聞くことができ、我々経験者であっても過去の大先輩の話や、専門分野の話など興味深い内容が多いことと思います。例えば7月29日に行われた講演では、47次夏隊に参加し、40年ぶりに南極の地を踏んだという柴田隊員による新旧南極のお話がされ、「氷海を見た瞬間40年前の自分が自分の中に戻ってきた」「タイムスリップした」という旨の事を仰っていたようです。これは経験者であるほど理解できる心境ではないでしょうか。 その他にも見所満載です。これだけの南極展はもう無いでしょうから、ぜひ行っておきたいものです。 また、この展示会に併せて、NEC・日本電気鰍フWEBサイトでは「NEC南極物語」というネット南極展を開催。NEC社は、45次観測隊が構築したインテルサット衛星回線の担当企業である他、衛星受信棟では同社製・同社担当の多目的大型アンテナ衛星受信システムによって、様々な観測・実験を行っています。同社によるWEB南極展も今が見るチャンスです。同サイトのトップページには、45次観測隊に派遣された4人のNEC社員(当時)が大きく写っていてインパクト大。 ●NEC南極物語 (2006.8.1 一部45次隊員のメール本文を拝借)
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去る7月5日国立極地研究所(極地研。東京都板橋区)にて「第48次日本南極地域観測隊」の隊員室開きが行われました。この「隊員室」は、設営系隊員が出発まで一室に詰めて南極行動の準備をすすめていくものですが、いよいよ48次隊が本格始動したということです。
当日はあいにくの雨模様で、我々45次のときと同様に隊員室前の大屋根の下でのイベントとなりましたが、当時と同じ情景を目の当たりにして、参加した45次隊員は懐かしさとともに少し寂しささえ感じられたそうです。 a ![]()
南極OB会では南極観測50周年記念事業の一環として、去る6月21日、東京會舘(東京都港区浜松町)にてにミッドウィンター祭(MWF:Mid Winter Festival)が開催された。会員間の親睦をはかるほか、南極観測の歴史を振り返り、現状の南極に関するトピックスなど、3つの講演会も催された。
(2006.6.25)
a ![]() 日本郵政公社では、南極観測事業50周年を記念した切手を発行するそうである。デザインはまだ明らかにされていないが、平成19年1月23日に発行予定とのことである。
ちなみに、これまで発行された南極関連の切手は、私の調べた限りでは次の通りである。さて、来年発行の切手はどんなデザインであろうか・・・。
(2006.5.15)
a ![]() 財務省は24日、南極観測事業50周年を記念した硬貨を発行すると発表そたそうである。28日にはデザインについて発表があり、その特徴はニッケル黄銅貨幣で表面には初代観測船「宗谷」と「タロ&ジロ」、裏面には日本の拠点の記された南極地図とメラメラオーロラで、傾けるとオーロラの部分の色合い(明るさ)が変わるようである。額面は500円で、平成19年1月頃に銀行や郵便局で引き換えとなる。発行枚数は取り扱い金融機関の希望枚数を踏まえ、今後政令で定めるようである。
個人的感覚であるが、どうも2005年は南極ブームとまではいかずとも、南極を取り上げた映画やニュースが多かったような気がする。例えば、映画「皇帝ペンギン」をはじめ数本の映画やDVDが製作され、つい先日には1980年代の大ヒット映画である「南極物語」をディズニーがリメークして公開されている。また、TV番組では先日「タモリ倶楽部」で「電車で行ける南極」と題して極地研が特集として取り上げられた。広報室長・神田啓史教授(45次隊長)や生物系教員・伊村 智助教授(45次越冬)らが南極観測をPRした。 (2006.4.26/5.9差替)
a ![]() 我々OBにとって大先輩であり、第1次南極地域観測隊で越冬隊員だった「菊池徹(きくち・とおる)」さんが10日、多臓器不全のため、在住していたカナダ・バンクーバーでご逝去されました。84歳でした。
菊池さんは第1次越冬隊では地質調査のほかカラフト犬係も熱心に務められ、映画「南極物語」で高倉健さんが演じた潮田隊員のモデルであったことでも有名でした。また、第一次越冬隊長の西堀栄三郎さんの著書「南極越冬記」にも菊池さんはよく登場し、犬に愛情を注いだ氏のお人柄なども伺えます。ここに謹んで哀悼の意を表します。 (2006.4.19)
a ![]() 国立極地研究所では17日、今年1月に極地研・本山さんらが採取した、深さ3028.43mのコアを初披露した。同コアはおよそ100万年前のものと見られ、中に含まれる太古の空気や微生物を今後分析していくことになる。いったい何が含まれているか、専門家ならずとも興味深い。
47次ドーム隊での深層掘削は岩盤まであと一歩。今年出発する48次隊により岩盤到達を目指すという。掘削部隊の健闘を祈る。 (2006.4.18)
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3月15日から続いていた宇部市立図書館での南極展が、昨日(26日)終了した。 同展は45次航空隊でパイロットの増田 誠氏が開いたもので、同氏が南極で撮影してきた写真百数十点と、国立極地研究所(極地研)から提供された解説パネルを展示していたものである。
極地研から提供を受けたパンフレット500枚は全て無くなり、雪上車のペーパークラフトなどは千数百枚は配布した。連日必ず入場者があり、老若男女を問わずなかなかの盛況ぶりであった。 同展を振り返り、「一人でやって大変だったって言ったけど、やらなきゃよかったなんて一度も思わなかったね。そう言う意味では苦労と言う苦労は無い。俺らは実際に南極に行ったから南極病にかかっているけど、それを一般の人に伝えるのは限りなく無理。でも日本の観測隊はこのような地でこのような生活をして、このような環境で任務に就いているって言う事が少しは理解してもらえたんじゃないかと思う。『日本の観測隊も中々ヤルんだぞ!』って。」と増田氏。 準備では数々の苦労をしたようであるが、確かな手応えを感じ大満足の様子。 皆様も一ついかが? (2006.3.27)
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きょう3月15日より3月26日まで、45次航空の増田 誠氏による「南極展」が、山口県宇部市の「宇部市立図書館・展示室」で行われる。氏が南極で撮影してきた写真百数十点と、国立極地研究所(極地研)から提供された解説パネルを展示する。なお、極地研からは羽毛服などの装備品の提供も受け、氏特製のマネキン人形に着せて特別室で展示する(右写真)。
「宇部市の人々に南極の素晴らしさと南極観測事業について知ってもらいたく写真展を企画した」と増田氏。 開催にあたり氏の居住する宇部市の図書館に相談をもちかけたところ、開催場所として展示室を利用することについて快諾を得た。 また、極地研広報課からも資料提供などの協力を得ることができ、本格的な南極展を開催するに至ったのである。 本サイトではメールインタビューの形式で同展を密着取材したい。結果は終了後にまた公開するかもしれない。 また、同氏によれば「この南極展に合わせてフジテレビでは南極物語を放送、ディズニー版南極物語も同時期に公開される。」とのこと(注:ジョークである)。 (2006.3.15)
a ![]() 来る2006年3月17日に開催される「第14回雪氷サロン(サロン・ド・グラース)」にて、2月9日にドームふじから帰国された本山秀明さんと田中洋一さんが「ドームふじ深層掘削最新レポート」という題目でご講演されます。
この「雪氷サロン」は日本雪氷学会が主催で、参加連絡・問い合わせは雪氷サロン幹事の古川さんまででいいようです。45次の皆さんは古川さんの連絡先が分かるでしょうから、ここでは記載しません。 (2006.3.3)
日時:2005年3月17日(金)18:30〜20:30場所:学士会館 307号室 講演内容(抜粋): 日本南極地域観測隊は、過去100万年間の地球環境変動を明らかにするために、南極ドームふじ基地において2003/2004年のシーズンから3シーズンかけて第II期氷床深層掘削を実施し、2006年1月13日に掘削深度3028.52mに達したところで今シーズンの深層掘削を終了した。今回の深層掘削のために、第I期ドームふじ深層掘削計画で開発された深層ドリルにさらに改良を加えたドリルが使用された。ドリルの全長は約12mで、一回のコアの掘削長は3〜4mとなり、他に例を見ない速度で深層掘削が進められた。3028.52mの深さの氷の年代は、100万年前まで遡ることが期待されている。
また、今回の深層掘削では、掘削チームが各シーズンに航空機により南極へ派遣され、前次隊の越冬隊と共同で深層掘削が行われた。 本山氏と田中氏は吉本氏と共に3シーズン続けて深層掘削に携わった。両氏には深層ドリルの開発から3000mの深度を超す深層掘削を完遂するまでの道のりを紹介いただく。 a ![]() 情報によると、南極観測50周年にあたる今年の秋以降に「南極観測50周年記念事業委員会」による記念講演会や本の出版を行うらしい。 10月には、第1次隊からの歴代隊員100人が語った証言記録を出版するらしい。また、「南極観測の50年」と題した写真集も出すらしい。
記念講演としては、宗谷が出港した11月8日に、宗谷が保存展示されている「船の科学館(東京都品川区)」で出港記念式典や講演会を開くそうだ。 一方、北海道から沖縄の各OB支部会による講演会も予定され、小中学生を対象にした南極教室なども開くらしい。 (2006.2.3)
a ![]() ドームふじの深層掘削がついに3000mを越え、約100万年前のものとみられるコアが採取できた。これは世界最古の資料となる可能性が高い。 これまでで一番古いものは約80万年前ということであるから、これは非常に貴重な資料となるであろう。
読売新聞(YOMIURI ONLINE)には藤井所長のコメントも載っているが、ほんと「何が出るかな♪」というワクワクした気持ちを感じた。 はたして地球環境の歴史がどうだったであろうか!? などという難しい話題にふると自爆するのでやめておく。 (2006.1.24) |