文責:広報担当・佐藤之紀
a 「しらせ」赤道通過〜赤道祭・洋上慰霊祭
平成21年11月10日に日本を発った、第4代南極観測船・砕氷艦「しらせ」(AGB5003/艦長:小梅三津男一等海佐)は、16日夜、赤道を通過したとのことです。17日午前には、航海の安全を祈願する大航海時代からの船乗りの恒例儀式「赤道祭」も執り行われました。
赤道には、神様と鬼がいて、鍵を受け取り「赤道門」をくぐらなければ、無事に通過できないという言い伝えがあるようで、しらせ乗員達は鬼に扮装したりして、この祭りを執り行います。 また、去る14日にはフィリピン・レイテ沖を通過。先の大戦でのレイテ沖海戦戦没者を悼む洋上慰霊祭も執り行われました。 艦長の小梅三津男一等海佐の「祖国のため身を挺した幾多の英霊に謹んで哀悼の言葉を捧げます」の言葉とともに花輪を捧げ、周辺海域を1周、弔意の小銃礼砲が捧げられたようです。実際の様子を見たことはありませんが、厳かな儀式となったことは想像に難くありません。 レイテ沖海戦とは、昭和19年(1944年)10月23日から25日にかけてフィリピンおよびその海域で行われた日米海戦の総称で、神風特別攻撃隊の初攻撃を含め、旧帝国海軍の総力を挙げて戦われた戦闘です。対する米軍も太平洋部隊(特に海軍)の大半の軍事力を投じて戦ったことから、その規模の大きさでも有名な海戦です。 同海戦は、戦艦「武蔵」が撃沈されたことでも有名な海戦で、この戦いでの敗北を最後に日本は事実上壊滅状態となり、以後組織的な大規模な行動が不可能となりました。 同海域を通過する海上自衛艦は、洋上慰霊祭を営むのが慣例になっています。 (2009.11.18)
a 51次先遣隊・セルロン地学隊 南極到着
11月16日国立極地研究所発表の情報によりますと、新「しらせ」で始まるコンテナ輸送の受け入れ準備のため、第51次日本南極地域観測隊(本吉洋一隊長)の先遣隊5人が14日、昭和基地に到着したそうです。11月中に昭和に入るのは観測隊として初とのこと。
5人は、5日に成田空港を出発。南アフリカのケープタウンから国際共同チャーター便に乗り継ぎロシアの基地を経由して、昭和基地前の海氷に着陸したそうです。 さらに、10日に出発したセールロンダーネ山地地学調査隊も、航空機で15日に現地入りしています。 一方、本隊は24日に成田空港を出発し、オーストラリアで「しらせ」に乗艦して昭和基地へ向かう予定です。 (2009.11.21)
a 新「しらせ」処女航海・南極へ向け出発
平成21年11月10日、第4代南極観測船・砕氷艦「しらせ」(AGB5003/艦長:小梅三津男一等海佐)が、南極へ向けて晴海ふ頭を初出航しました。
今後太平洋を南下し、オーストラリアで後発する第51次観測隊と合流。12月下旬〜1月上旬に昭和基地に到着予定です。 物資の空輸、氷上輸送などを済ませ、4月上旬に帰国予定とのことです。 (2009.11.18)
a 「しらせ」解体免れる−千葉港で展示へ−
先代「しらせ」は老朽化のために平成20年7月に退役、その後後利用について公募を行いましたが、費用の面で折り合いがつかず、同年10月にはスクリューなどの一部を残して解体処分とされることが決定されました。 しかし、鉄価格が下落し、また多くの保存を望む声により再検討され、価格を下げて二度目の公募を実施。4件の応募の中から気象情報会社「ウェザーニューズ」へ売却することが決定され、解体を免れることになりました。 現在は、神奈川県の母港・海上自衛隊横須賀基地に係留中。いずれ千葉港に移され、環境について取り組むためのシンボルとして、また、交流の場として利用されることになるとのことです。 これまで25年にわたり分厚い南極の氷を割って氷海を脱出してきた「しらせ」、ここにきて最大の危機となっておりましたが、ひとまず脱することができました。命の恩人となったウェザーニューズ社。今後の利用方法に期待されます。 (2009.11.16)
a 各地で「しらせ」スクリューブレード展示中
展示されているブレード(羽根)は、1つのスクリューにある4枚のブレード(羽根)のうちの一枚で、長さ2m、幅1.7m、重さ3.5tの合金製(鉄・チタン)。 稚内市役所のホームページによると、他に5箇所で展示される予定だそうですが、室内展示は稚内のみとなるようです。 なお、他の会場のうち一つは、白瀬南極探検隊記念館(秋田県にかほ市)に、一つは白瀬矗の墓のある西林寺(愛知県吉良町)に展示されています(読売新聞HP情報)。 吉良町のHP(注:リンク先はPDF) によれば、展示にかかる費用は111万円かかったようです(予算)。 (2009.09.8)
a “極地研探検”−国立極地研究所を一般公開します−
(2009.08.28)
a 映画「南極料理人」全国絶賛上映中!
(2009.8.28)
a 中高生 南極北極 科学コンテスト 募集中!
「こんな研究がおもしろそうだ」 「日本ではこうなるが、南極や北極ではどうなる」 国立極地研究所では、「第6回中高生南極北極科学コンテスト」の募集を行っています。「中学生・高校生の提案を南極・北極へ」をキャッチフレーズに、次代を担う中学生・高校生から、極域研究の提案を公募するものです。 応募の提案のなかから、実際に南極・北極で調査、実験等を行うものなどの優れた提案を表彰するとともに、応募した中高生等による発表会も開催します。(極地研広報第10号より抜粋) 南極や北極は、人為的な汚染が少なく、地球や宇宙を理解する上で絶好の観測場所であり、科学の最前線でもあります。南極地域では、日本は50年以上にわたって観測を継続しています。 中高生の皆さんからの、斬新なアイディアや視点、素朴な疑問等による研究や実験、調査の提案を歓迎します。
(2009.7.11)
a 「しらせ」払い下げ再公募−救いの光なるか−
前回公募時には、係留展示の案や、オホーツク海での運行など7件の応募が出たようですが売却額の他維持費などの費用面でまとまらず、現在は母港である海上自衛隊横須賀基地に係留されています。 世界屈指を誇った砕氷能力と、長きにわたり南極観測事業を支えた先代「しらせ」、ここに来て一筋の光が・・・。何とか永久保存されることが期待されます。なお、前回公募時よりもかなり安くするそうです。 詳細:文部科学省HP「先代「しらせ」の後利用に係る再公募について(平成21年6月19日)」 (2009.6.22)
a 極地研に展示スペースオープン
国立極地研究所では、南極や北極の観測について広くPRすることを目的に、所内に展示コーナーをオープンしました。
また、衛星回線を通じて、昭和基地のリアルタイムの映像もご覧いただけます。運がよければ、南極観測隊員が雪かきをしている場面や、雪上車が動いている場面をご覧いただけます。 詳細:http://www.nipr.ac.jp/info/notice/20090610.html (2009.6.17)
a 映画「南極料理人」キャスト決定!
38次越冬隊(ドーム)の西村淳さんの著作「面白南極料理人」「面白南極料理人笑う食卓」を原作とした映画「南極料理人」。このほどキャストが決定されたと報道されました。
西村さん役の主役は「堺雅人」氏、その奥様役に「西田尚美」さんのほか、生瀬勝久氏、きたろう氏など豪華顔ぶれとなっています。主役級の越冬隊員を演じるキャストは次の通りです。
http://www.nankyoku-ryori.com/ 実際の観測隊の様子を描いたこの作品。筆者も顔を知ったアノ人やアノ人を、俳優が演じるという・・・、なんとも完成が楽しみな映画です。 これまで南極を扱った映画は少ないながらも存在しますが、原作者がホンモノの観測隊員という映画は本邦初ではないでしょうか。 ひょっとしたら海外にもそういった例がなく、世界初かもしれませんね・・・。今後の情報にも期待です。 (2009.2.17)
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