南極に関するニュースを載せています。
文責:広報担当・佐藤之紀


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海上自衛隊-"しらせ”寄港地発表

06年釧路寄港中の「しらせ」
06年釧路寄港中の「しらせ」
 海上幕僚監部発表によりますと、砕氷艦「しらせ」は、8月29日(水)から10月8日(月)にかけ総合訓練を実施しつつ日本各地に寄港する予定です。寄港地は全国で7箇所、41日間にわたる訓練となります。訓練内容は、航空機(ヘリコプター)発着艦訓練、49次観測関係者の艦上訓練支援などです。
 海上自衛隊では次期砕氷艦(AGB5003)の起工式を3月15日ユニバーサル造船舞鶴事業所にて執り行っています。今後は2008年4月に進水、艦体をドックから岸壁に移して艤装が施され、2009年5月に就航の予定です。一方間もなく退役となる「しらせ」、今年の寄港地の中には名古屋港も含まれており、前砕氷艦「ふじ」とのラスト・ツーショットとなりそうです。
8/29(水) 0800母港(横須賀)出港
8/31(金) 1000仙台 入港9年ぶり3回目
9/ 3(月) 1000同 出港
9/ 4(火) 1700大湊港外 入港
9/ 5(水) 1500同 出港
9/ 7(金) 1000稚内 入港7年ぶり4回目
9/10(月) 1000同 出港
9/14(金) 1000浜田 入港6年ぶり2回目
9/17(月) 1000同 出港
9/18(火) 1000下関 入港14年ぶり2回目
9/19(水) 1800同 出港
9/20(木) 0700恵美須湾 入港
9/21(金) 1700同 出港
9/23(日) 1000那覇 入港5年ぶり4回目
9/26(水) 1000同 出港
9/29(土) 1000 入港5年ぶり4回目
10/2(火) 1000同 出港
10/5(金) 1000名古屋 入港2年ぶり7回目
10/7(日) 1400同 出港
10/8(月) 1400母港(横須賀)入港

(2007.5.24)


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氷床コアから有機物発見!!

今年2月に帰国した第48次ドーム航空隊の3名。
今年2月に帰国した第48次ドーム航空隊の3名。
 2007年4月に砕氷艦「しらせ」で持ち帰った2006/2007年シーズンの氷床深層コアから、有機物が発見されたそうです。
 ドームふじ氷床深層コア掘削・研究グループリーダーの本山秀明・国立極地研究所教授(写真中央)が日本地球惑星科学連合大会で発表したところによりますと、最深部の氷に有機物らしい粒子が見つかったそうです。氷床下の微生物の発見にもつながる可能性があるようです。
 また、これまでにも3030mを超えるあたりから岩盤の屑と考えられる粒径数ミリの固体粒子も見つかっています。今後は極地研や北海道大学・低温科学研究所で詳しく分析をすすめていくとのことです。
(2007.5.24)


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砕氷艦「しらせ」 帰港

 4月13日、砕氷艦「しらせ」(小梅三津男艦長、乗員171人)が第48次南極地域観測協力業務を終え5ヶ月ぶりに帰国、東京・晴海埠頭に着岸しました。
 今年の「しらせ」といえば、深さ3035.22m岩盤直前の氷床から採取した融解水や岩盤の一部と思われる破片などの貴重な資料を運んでの帰港。また、昭和基地を訪れた日本科学未来館館長の毛利衛氏らが「しらせ」を利用したり、南極海航行中に病気になったスペイン船船員の治療のため医師を派遣したりという話題もありました。
(2007.4.14)


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47次越冬隊・48次夏隊 帰国

 3月28日(水)夜、第47次越冬隊と第48次夏隊が空路帰国しました。特に47次越冬隊員の皆様は1年半ぶりの帰国。長かったような短かったような、しかし御本人達にしてみればきっとあっという間の一年半だったのではないかと思います。
(2007.3.29)



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南極に大型機滑走路計画

写真提供:亀田貴雄氏(36次・44次、北見工業大学)
陸別実験#1GPS を搭載したブルによる路面平滑実験
陸別実験#2平らになった雪面
陸別実験#3圧雪した路面の硬度計測(渡邉興亜先生)
陸別実験#4圧雪雪面の断面観測

 昭和基地に大型航空機用の滑走路を造成するための実験が、去る2月2日と3日に北海道陸別町で行われました。陸別町の気候特性を活かし1998年から実施している実験で今年で10年目。同日、元国立極地研究所所長の渡辺興亜氏、北見工業大学の亀田貴雄氏(36次、44次)、高橋修平氏(23次)を中心に実施されました。

 同実験は、国立極地研究所、北見工業大学、長岡科学技術大学、陸別町しばれ技術開発研究所による共同研究で、昭和基地に延長3000mになる大規模滑走路を造成する計画。
 昨年2006年には実際に平らな雪面を造成する技術の検証を行い、現在道路工事で実際に利用されている電子式測量機(レーザーレベラー)を搭載したブルドーザーが自動的に高低差を調整しながら整地しました。今年は、除雪方法について実験。積雪を取り込んで排除するロータリー式雪上車に変わり、積雪を攪拌して転圧するという工法を試みたそうです。

 現在、観測隊員と物資の輸送はすべて南極観測船(海上自衛隊)による海上輸送ですが、上層部では人員・物資の航空機輸送を急務と位置づけているようです。大規模滑走路を造成する場合、平らに整地するための熟練技術者の確保が課題でしたが、この新しい技術を導入することによって機械がその役割を果たし、滑走路造成が可能となるかもしれません。陸別町しばれ技術開発研究所の児島所長は、近い将来南極での実証実験に入る可能性があることを新聞紙上で述べられています。
http://www.tokachimail.com/rikubetsu/060209index.html
(2007.3.26)

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48次ドーム航空隊 帰国

48次ドーム航空隊員
写真提供:Y.Nakayama(45次・朝日新聞)
 2月20日、第48次ドーム航空隊(第48次日本南極地域観測隊夏隊ドームふじ基地担当)の3名が空路帰国しました。帰国したのは隊長(観測隊全体では副隊長)の本山秀明氏をはじめ、田中洋一氏、新堀邦夫氏で、同日成田空港第1旅客ターミナルに降り立ちました。
 本山さんは、真っ黒に雪焼けした顔で長旅の疲れも見せずに会見に応じ、今回の掘削オペレーションについて笑顔で応えていたようです。
「第1 期南極ドームふじ深層掘削計画から10 数年かけて、ようやく岩盤直前まで到達しましたが、氷床底面の掘削は非常に手ごわかったです。今回採取した試料の解析による新たな発見が楽しみです。これまでに惜しみないご協力、ご支援をいただいた多くの方々に感謝します。」と本山さん(1月26日付文部科学省プレス発表資料より抜粋)。
 本山さんをはじめ、田中洋一さん、新堀邦夫さん、大変お疲れ様でした。
  • 本山英明氏:31次夏、34次越冬、38次ドーム越冬、42次越冬、45次ドーム、46次ドーム、47次ドーム
  • 新堀邦夫氏:37次ドーム、46次ドーム、47次ドーム
  • 田中洋一氏:36次ドーム越冬、45次越冬、47次ドーム
引用:1月26日付文部科学省プレス発表資料(注:PDF
(2007.2.19(3/26更新))


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しらせ 反転北上開始

45次越冬隊 帰還時
45次越冬隊帰還時 しらせヘリコプターより撮影
 48次隊同行記者(共同通信)が発信した情報によりますと、2月16日、昭和基地に残っていた47次隊員13名を乗せたヘリ最終便が昭和を飛び立ち、47次越冬隊と48次夏隊を乗せた砕氷艦「しらせ」が、反転北上を開始したようです。
 ヘリ最終便の予定は15日だったそうですが、強風のため1日延期となったようです。
(2007.2.17)

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気象庁で南極展開幕

 2月9日から3月9日までの一ヶ月、東京都千代田区大手町の気象庁本庁にて南極気象観測50年記念事業として南極展を開催。同庁南極観測事務室などが準備を進めてきました。
 気象庁発表の資料によりますと、このイベントは「気象庁の実施している南極気象観測が50年を迎えるにあたり、より幅広い世代の方々に理解と関心を深めていただくために、下記のとおり記念事業を実施いたします。」とのことです。
 気象庁は第一次観測隊からこれまで毎年職員を派遣し、定常観測や研究観測を行っています。共同通信によりますと、これまでに延べ251人が参加したことになるようです。この気象部門による定常観測により、1982年(23次隊)には世界に先駆けオゾンホールを観測するなどのほか、昭和基地などではありとあらゆる気象学的観測を行っており、他部門同様に大きな成果を上げています。この展示会ではそうして実際に南極で使った様々な観測機器の展示のほか、隕石や隊員装備品、観測隊員が撮影・編集した映像の上映などを行っています。
 会場は気象庁本庁1階の「気象科学館」。2/9〜3/9の間、日曜・祝日を除く毎日常設展示(パネル展示など)が行われ、3/9には「気象庁講堂」にて講演会が行われます。

●常設展示
日  時 平成19年2月9日(金)〜3月9日(金) 10時〜16時
(日曜・祝日を除く)
場  所気象科学館(気象庁1階)
後  援国立極地研究所

●講演会
日   時平成19年3月9日(金)15時〜17時(開場14時30分)
場   所気象庁講堂
入 場 料無料
定   員200名(予約不可)
講演内容 ・観測船「宗谷」の気象観測と天気予報
 立平 良三氏
・南極気象観測の事始
 川口 貞男氏
その他昭和基地とのライブ中継

○講演会講師紹介
立平 良三氏 元気象庁長官
砕氷船「宗谷」乗員(第2次)
川口 貞男氏 国立極地研究所名誉教授
第2次夏隊、第3次越冬隊、第8次越冬隊、第11次夏隊長、第13次越冬隊長、
第21次越冬隊長

気象南極展気象南極展気象南極展気象南極展
写真提供:阿保敏広氏(45次・気象庁)

詳細: 気象庁
(2007.2.8)
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「だいち」に中国衛星の破片接近

南極上空の衛星軌道
参考:黒線はERS-2の軌道。赤枠内は撮影日にこれから実際に受信する軌道を示したもの(記事とは関係ありません)。
 南極上空などを周回する極軌道衛星で陸域観測技術衛星(ALOS)「だいち」に、今年1月に中国が破壊した人工衛星の破片が衝突する危険性があるようです。わずかな破片でも衝突すれば、「だいち」は破壊されてしまいます。
 今年1月、中国は気象衛星「風雲1号」の破壊実験を行ったとのことですが、その破片(デブリ)の軌道が南極上空で1.4kmまで接近していることが九州大の解析でわかったようです。現在のところ衝突の危険はないようですが、何と言っても相手はゴミであるデブリ、その軌道は刻々変化しているそうで、「だいち」を打ち上げた宇宙航空研究開発機構(JAXA)も監視を続けているようです。
 デブリは現在約650個までが確認されており、地球を輪のように囲んでいるようですが、今後はバラバラに地球全体に散らばるようです。
 北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)がデブリを監視しているそうですが、10cm未満の小さなものは完全に把握できないようです。
 「だいち」は2006年1月24日に打ち上げられた日本の陸域観測技術衛星(ALOS)。地形観測や資源調査などを行っています。また合成開口レーダを搭載していますが、合成開口レーダによる観測といえば昭和基地ではヨーロッパの地球観測衛星「ERS-2」からの観測データを受信していました。
 「だいち」は高度700km上空を時速27000kmで周回しています。小さな破片であっても衝突時のエネルギーを考えるとそのダメージは相当なものになります。
 宇宙には約9000個の宇宙ゴミ(スペースデブリ)があるそうですが、今回は高度が近いため非常に危険度が高いようです。
 asahi.comの記事によると、「だいち」を運用するプロジェクトマネージャー氏は、今回の中国の実験にはとにかく呆れた様子です。
詳細:
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
(2007.2.7)

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さっぽろ雪まつり 開幕


イメージ(南極雪まつり (?))
 2月6日、札幌で「第58回さっぽろ雪まつり」が開幕となりました。今シーズンの北海道は暖冬により雪不足や雨などによりコンディションは悪いものの、大小307の雪像が完成したようです。開幕日の天気も小雨が降るという危うい状態だったようですが、国内外からも観光客らが押し寄せるこのイベント、今年は200万人の来場を見込んでいるようです。
 今回の雪まつり、特筆すべきはやはり南極観測50周年を記念した大雪像「神秘大陸 南極の生き物たち」でしょう。初代観測船「宗谷」や樺太犬タロ・ジロをはじめ、ペンギン、アザラシ、鯨などの動物を象っています。会場は「大通り会場」の「STV広場」(大通り西10丁目)です。
 他、札幌市東区にある「さとらんど会場」、札幌市中央区で大通りから少し南にある「すすきの会場」の2会場があります。
<さとらんど会場>
 巨大滑り台(100m級)や巨大迷路など、体験型の巨大雪像が並び、子ども達に人気があります。開場は9時〜17時です。屋台村もあり北海道の味覚を堪能できます。
<すすきの会場>
 主に透き通った氷の彫刻が並びます。24時まで(最終日は22時まで)ライトアップされ、幻想的な光景に溢れます。
 開催期間はいずれも12日(月)までの7日間。
詳細:
第58回さっぽろ雪まつり ホームページ
(2007.2.6)

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47-48次 越冬交代式

45次越冬隊帰還時の様子
45次越冬隊帰還時 しらせヘリコプターより撮影
 2月1日、昭和基地運営の全権が47次越冬隊から48次越冬隊に交代される「越冬交代式」が行われました。この日をもって、神山孝吉越冬隊長以下47次越冬隊から、宮岡宏越冬隊長以下48次越冬隊への業務引継ぎと、昭和基地の運営の交代となります。この日の昭和の天候は曇り、冷たい風の吹く中「19広場」で交代式が行われたもようです。
 交代式のあと、南極観測50周年を記念して、歴代観測隊員全員の名前が記された銘板の除幕式が行われたようです。
(2007.2.2)
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精密地図作成のための 測量中

 南極の精密な地図をつくるための測量が、48次隊により行われているようです。今後、基準点の位置データと、陸域観測技術衛星「だいち」による観測データをもとに、リュツォ・ホルム湾地域の1万分の1や2万5000分の1の地形図を作製するそうです。
 地殻変動の長期的な様子を知るには、継続した観測が大切と48次・白井氏も仰っている通り、これまでの地学観測に加えてこの測量は最後には大きな成果をあげることと思います。
(2007.2.1)
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記念式典 皇太子殿下ご臨席

 昭和基地開設から50年を迎えた1月29日、東京都港区の「明治記念館」で記念式典が行われ、伊吹文部科学大臣、久間防衛大臣、藤井極地研究所長が出席されたほか、皇太子殿下もご臨席されました。皇太子殿下は小さい頃から白瀬隊や樺太犬タロ・ジロの物語などにふれ南極に興味を惹かれていたご様子で、「ひとしおの感慨を覚えます」と述べられたそうです。また伊吹文部科学大臣は、世界に先駆けたオゾンホールの発見、3000mを超える氷床掘削に成功するなど多くの成果をあげたと述べたうえで、今後更なる地球環境の変動の解明と国際貢献を果たすと表明したそうです。
(2007.2.1)
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昭和基地開設から50年

 1月29日、1957年の同日南極・東オングル島に「昭和基地」を開設してからちょうど50年目を迎えました。以来、日本南極地域観測隊は様々な成果をあげてきました。有名なところではオゾンホールの発見、隕石採取(1万6200個で世界一の隕石保有国となっている)などから、気象、電離層、宙空、気水圏、地学、生物などの各部門で簡単には紹介しきれない程の成果をあげています。また、管理棟や通路棟の建設や、我々45次隊ではインテルサット衛星回線の開通など、基地自体も大きく成長しています。携わった観測隊員の数も総勢1693人(asahi.comより)とか。
 昨年から南極観測50周年記念として、極地研究所や南極OB会、地方支部、OB個人などによって南極観測がPRされ、ここ最近は広く国民の皆様が興味を持たれたことでしょう。特に子ども達にとっては未来の観測隊員となるきっかけになっているかもしれません。
(2007.1.30)
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ドームふじ氷床深層掘削 終了

 ドームふじ基地で行われていた第二期氷床深層掘削が、26日に終了しました。昨年1月に3028.52mに到達、72万年前のコアが採取されましたが、その後48次隊での作業により3035.22mまで掘り進みました。岩盤まであとわずかというところだったようで、岩盤とみられる破片が入っていたとか。48次掘削を行う前、田中洋一さんが今後は難しい掘削となることを予測していましたが、やはりかなり困難があったのではないかと思います。また昨年12月からの再開でしたが、電気系統のトラブルでドリルが不調だったとのことです。
 残念ながら世界初の岩盤到達とはなりませんでしたが、岩粒のほかに溶けた水(基地まで取り出す際に凍結しましたが)も採取でき、その中に微生物が入っている可能性もあり、地球環境の歴史や極限で生きる微生物の研究を進める上で大きな成果であると極地研の藤井所長も仰っているとおり、やはりその解析はとても興味深いです。
(2007.1.30)
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ボツンヌーテン登頂

 1月23日、47次隊と48次隊は1次隊ゆかりの「ボツンヌーテン」に、観測隊としては3回目の登頂を果たし、岩石30kg分を採取したそうです。
 ボツンヌーテンといえば第1次隊が初登頂し映画「南極物語」でも大きく取り上げられた山で、昭和基地から80kmほど離れた広大な氷原にポツンとそびえる標高1480mの岩山です。
 1次隊では最高峰の中央峰に登頂、今回は2回目に34次隊が登頂した東峰1450mに登ったそうです。しらせのヘリで麓まで行き、そこから登り始めたとのことです。
(2007.1.30)

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記念切手と記念硬貨 発売

 1月23日から、南極観測50周年の記念切手の発売と、記念貨幣の引換が始まりました。記念切手は全国の郵便局で(一部シール式は指定郵便局)、記念500円硬貨は郵便局や金融機関で引き換えとなります。初日のみ記念硬貨は一人2枚まで。
 記念硬貨は財務省によると、642万枚を発行。直径2.65センチのニッケル黄銅貨で、表には初代南極観測船「宗谷」とカラフト犬タロとジロ、裏には南極大陸とオーロラの図柄が描かれています。
 記念切手は1シート10枚で800円。ばら売りも可。図柄は次の通りで、1と2、3と4、4と5というように2枚で1つの絵が完成するデザイン。 
(1)観測船"ふじ"(2)観測用飛行機
(3)コウテイペンギン(4)コウテイペンギン
(5)観測船"宗谷"とアデリーペンギン(6)アデリーペンギン
(7)ジロ(8)タロ
(9)観測隊員と観測船"しらせ"(10)SM100型雪上車
 詳細:ゆうびんホームページ
(2007.1.30)
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気象庁 オゾン層観測速報発表

 1月22日、気象庁が2006年12月のオゾン層観測速報を発表しました。内容は、札幌、つくば、那覇の国内3地点と、昭和基地で実施している上空オゾン量、地上に到達する有害紫外線強度についてです。
 国内3地点での月平均オゾン全量は参照値と比較するとすべて並の値だそうで、日積算紅斑紫外線量の月平均値は札幌で多く、つくばで並で、那覇で少なかったそうです。日最大UVインデックスの月平均値(解析値)は、紫外線が中程度であることを示す3〜5の領域が小笠原諸島および南西諸島で見られたそうで、東北南部、北陸および近畿から南西諸島にかけて、参照値より10%以上UVインデックスの値が低くなった地域が見られたそうです。
 NASA(米航空宇宙局)の衛星データと気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では、ベーリング海とアラスカで10%以上オゾン全量が増加した地域がみられたが、一方でバルト海と南極大陸周辺で10%以上オゾン全量が減少した地域が出現。特に西経10度から東経50度にかけての南極大陸では20%以上のオゾン全量減少が確認された地域があることが報告されたそうです。
詳細:気象庁HP
(2007.1.30)
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樺太犬「タロ」 門外不出に

 改めて紹介することもない有名な「タロ」の剥製が、今後は北大植物園での展示のみになりました。
 「タロ」は1970年、14歳で一生を終えました。死後は剥製にされて札幌市にある北大植物園(北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター耕地圏ステーション植物園)に展示されています。
 すでに老犬であたっために皮膚が弱く、10年前くらいから傷みが目立ち始めたとのことで、最近では触ると毛が抜けてしまうそうです。
 そのため、2006年11月26日〜27日に行われた南極OB会北海道支部による50周年記念イベントでの展示を最後に、園外での展示は打ち切り、今後は園内でのみ見ることが出来ます。写真は最後の園外展示となって北海道支部イベントでの「タロ」。
(2007.1.30)

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毛利さんS17からTV中継

 1月10日、南極観測50周年を記念し、南極と世界3カ国を衛星回線で結んだ科学実験イベントが行われました。
 昭和基地から東に約30キロ離れた大陸上にある「S17」を訪問中の元宇宙飛行士・毛利衛さんが加湿器の湯気が白くならないという実験をやってみせたらしいです。白い煙の核となるエアロゾルの量が少ない、つまり空気が澄んでいるから、白くなりづらいのです。
(2007.1.30)